« 戦後60年って、今は戦中、戦前じゃないか? | メイン | 20年待ったのさ、このアルバム。 »
2005年03月29日
ナチ野郎がナイフ持ってやってきた!
しばらく更新できなかったんですが、その理由は日本を離れていたから。今回初めて気が付いたんですが、(方法はあるにしても)常時接続のタイプでないとblogの更新は、結構面倒だなと実感。加えて、旅に出ると、仕事として更新しなければいけないSmashing Magを優先しなければいけないので、こんな感じになってしまいました。すいません。(って、別に、誰かのために更新をしているのではないので、謝ることはないと思うんだが...)
で、日本を離れていたのは、ここ数年、毎年の行事となっているイタリアでのStreet Beat Festivalの撮影のため。01年にスリーピースと一緒にイタリアに行って出会ったのがGridalo Forteというレーベルの人々で、そのレーベルの中心がBanda Bassotti。おそらく、21世紀になってから最も気に入っているバンドのひとつで、彼らが自分の撮影した写真をいたく気に入ってくれていることから、毎回彼らの招待でイタリアに向かい、ツアーの全行程を撮影することが恒例となっているのだ。
発端は01年の暮れのスペイン取材で、この時に撮影したものが彼らのツアー・ポスターに採用されて... そのときのことはここに書いているんですが、当時使っていたのは一眼レフの走り的なデジカメ、オリンパスのE10で、画素数は400万ぐらいだったと記憶している。ISOは320ぐらいまでしか上げられないし、連続して撮影しているとほんの数枚でシャッターが落ちなくなるという代物で、それで撮影した写真を、トリミングしてA全のポスターに仕上げた彼らにびっくりしたものだ。本当は、これ、フレームにでも入れて飾りたいんだけど、どこに行ったか.. わからなくなってしまった。
ともかく、彼らは僕の写真をいたく気に入って、年に一度のStreet Beat Festival(その翌年から始まったんだけど)にはオフィシャル写真家として必ず招待してくれるようになったわけだ。まぁ、その代わりに撮影した写真は全て彼らに渡して、自由に使っていいというのを条件にしているので、フェアーなディールだと思う。
で、今年も行ってきたんだけど、ネット回線が使えるのは彼らの事務所のあるローマで、そのほかは各会場でちらっと使わせてもらえるという感じ。だから、移動中にSmashing Magのスタッフから受け取ったファイルを確認したり、あるいは、自分で新しいファイルを作ったりして、チャンスがあったら、サーバーにアップ、メールをチェックするということしかできなかったわけだ。そのせいで、毎日更新していたSmashing Magに関しては、更新できない日が1日だけできてしまった。まぁ、これにしても、アクセスしている人たちからお金をもらっているわけでもないし... 謝る必要はないんだけど、単純に「誰からも一銭のお金をもらうこともなく、集まってきたフリーのジャーナリスト、写真家(まだまだその卵的な人もいるんだが)たちが自分たちだけの力で作っているメディア」の誇りとしてできるだけいい仕事をしようとしているという意味で、ちょっと悔しいなぁというのが本音ですね。
今年の出演者はスウェーデンのパンク系、Bombshell Rocksと、アメリカのスカ、The Slackersの組み合わせで、残念ながら日本からのバンドは出てはいない。DJとしてカリビアン・ダンディの2名が加わっているんだけど、そういった意味でいったらちょっと残念だった。これまでDobermanとかBrahmanとか一緒にツアーしていたし、本当はここにケムリとかSoul Flower Unionとかを組み入れたいとずっと思っているんだけど、なかなか実現していない。
毎年、ここでイタリアのバンドやヨーロッパの面白いバンドと出くわすのだが、今回自分にとっての大ヒットとなったのがニューヨークのThe Slackers。スカやロックステディをベースにしていて、けっこうな歴史があるという話は聞いたんだが、彼らがエピタフと契約した頃から状況が良くなったとか。97年頃からツアー頻度がどんどん増えて、アメリカとニューヨークを往復するようになったとメンバーから聞いている。現在では年間120本ぐらいのライヴをこなしているらしく、実際、彼らのライヴを見て、惚れましたなぁ。ルーツ的なスカやロックステディの味もいいし、お客さんを楽しませるという意味ですごくプロだと思う。なんでも昔は黒人のメンバーでヴォーカルがいたらしいんだが、トロンボーンとキーボードの二人のヴォーカルが絶品で、文句なし。しかも、サックスのうまいこと。すげぇバンドだと思う。
といった、ライヴの楽しみはいっぱいあって、そういったことも書きたいんだが、今回もあった事件のことは、やっぱり伝えておかなければいけないと思う。ボローニャの会場でのことなんだが、ここはTeatro Polivalente Occupatoと呼ばれる会場で、全イタリアに150箇所近くあると言われているCentro Social、コミュニティ・センター。基本的には使われていない廃屋となった建物をスクオッティング(不法占拠)して、クラブからバー、レストラン、ライヴ会場から職業訓練などの使われているもので、当然ながら、その主役になっているのはリベラルな考え方を持つ人たち。現政府や権力にとって見れば、まったくもって嬉しくない、目の上のたんこぶ的な存在で、連中はいかにしてこれをたたきつぶすかということを考えているはず。実際、最大規模となるローマのVillagio Globaleは、そういった危機に直面していて、ここ数ヶ月が勝負だという噂も聞いている。
同時に、根強いネオ・ナチとか、右翼にとっても彼らは敵であり、特に、反ナチ、反権力を前面に出しいているバンダ・バソッティには、こういった敵が多いわけだ。実際問題、彼らがこういったネオ・ナチに襲われて、当然逆襲してけっこうな騒ぎも体験しているし、でっかい石を車の運転席に投げ込まれたり... ってなこともあったらしく、嫌がらせなんぞには慣れっこになっている。前回も同じようなことがあって、会場を離れようとしてバスに乗っていたら、「窓際には座るな」って言われたり... 要するに、ネオ・ナチがバスを襲撃する可能性があり、窓際が危険だからだというのがその理由だ。
で、今回もそれがあった。なんでもライヴが始まった頃だっただろうか、ネオ・ナチが会場に押し寄せていたんだとか。当然ながら、バンドのメンバーや地元のスタッフがそういったバカ野郎たちの襲撃に備えるわけだが、はっきり言って、ネオ・ナチより、なぜかみんな左翼だというスキンヘッドの連中の方が右翼よりもタフみたい。幾度も修羅場をくぐっている彼らの方が強いようで、会場のなかにいた自分たちには実際に何が起こっていたのかよくわからなかった。たいていこういった話は、ライヴが終わってから伝えられるからなんだろうけど、あまり実感しないのね。でも、今回はナイフを持っていた連中が15人も集まっていたとのことで、地元のスタッフもバス移動の際にはバッグなどを窓側にして自分の身体を守るるようにして、会場を後にした。
「あいつら、バカだからな。でもまぁ、右翼が襲いに来るということは、俺たちもけっこう人気あるってことなのかなぁ」
なんてのんきなことをいっていたのが、イタリアのスカ・シーンでは重要な役割を果たしているルカ。いやぁ、なかなかどうして、そうなんだろうと思う。だからこそ、毎回彼らのライヴにけっこうな人が集まり、日本では体験できないような熱狂が各会場で見られるわけだ。特に、地元のローマなんて、7〜8千人のオーディエンスがライヴの最初から最後まで、ほとんどバンドをカラオケにして彼らと一緒に歌を歌っているって感じかねぇ。この熱狂を一度体験してみたら、彼らの音楽がどれほど「人々の声」となっているか、一度でわかるから。すごいよ、ホント。
ってなことで、また、続きは時間があったときにでも書きますが、今回も、とんでもない体験の繰り返しばかり。いやぁ、旅は面白い。いろんな人たちとの出会いとか、体験とか、勉強になりますわ。
投稿者 hanasan : 2005年03月29日 17:42