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2005年11月17日

縁は異なもの... でも、つながる - Royal Crown Revue -

Royal Crown Revue 実は、ロスについたその日、9月4日の夜にウイリーの友人のドラマーがやっているバンド、Royal Crown Revueが、けっこう有名な(らしい)スイング系のクラブ、the Derbyでライヴをやるという連絡を受けて、「じゃ、写真を撮ろうか?」なんて言っていたんだけど、結局、できなかった。というのも、日本を離れる前日、同じく友人のドラマー、沼澤尚君と、彼の友人、マルコス・スサーノのセッションがあって、深夜1時に始まったそれを見終えて帰宅してから荷造りと更新作業をしていたら、徹夜になってしまったのだ。フライト前というのは、たいてい徹夜で仕事をして、空を飛んでいるうちにぐっすり寝るというのがいつものパターンなんだが、今回のシートが最悪で、足は伸ばせない、肘を置くところも固定で動かせない... というので、全然寝られなかったのだ。

 基本的にチェックインするときに選ぶシートは足を伸ばせるところ。"It would be nice to have large leg space"なんぞというんだが、たいていは出入り口のそばで、ここだったら、足を伸ばせる。ゆっくりと寝ることができるのだ。それに、スチュワーデスの座るシートの正面となって、実は、会話が弾むこともある。(まぁ、寝てばかりなので、ほとんどそういったことはありませんが)それでも、この窓側は、非常ドアの出っ張りがじゃまになって、その通路側がエコノミーの、自分にとっては特等席になる。が、今回、行きのフライトでその座席がいっぱいで、仕方がなく、一番先頭、ビジネスとの壁の場所を選んでしまったのだ。一応、レッグ・スペースは広い方だという説明を受けてそうしたんだけど、どうなんだろ、ほとんど変わらなかったように思える。加えて、肘を置く部分が固定されているものだから、窮屈で仕方がない。フライトの時ばかりは小柄の人がうらやましいと、本気で思う。(あと、小さな小屋のフォト・ピットで撮影するとき。じゃまだからといって、髪を引っ張られたり、頭を殴られたりってこともあるから)で、結局ほとんど寝られずじまい。

 そのせいもいもあって、ウイリー宅について、久しぶりだというので、いろいろ話をしたあとに、ちょっと昼寝しますわ... といって寝たら... 起きなかった。というか、一度、ウイリーが起こしてくれたんだけど、「無理しなくていいから」なんていってくれたものだから、「悪い、だめだわ、これは」と、結局、翌日の朝までぐっすりと寝てしまうことになる。なんと睡眠時間17時間。すげぇ!自分でもこれほど寝ることは珍しいのだが、これって、グラストンバリー以来だと思う。だいたい、海外に行くとよく寝るという習性があって、興奮するどころか、仕事のプレッシャーから解放されて、ストレスがなくなるんだな、おそらく。

 で、申し訳ないんだけど、このバンド、Royal Crown Revueを撮影することはできなかった。でも、その翌日、ウイリーがビッグ・ウイリーズ・バーレスクとして今年のフジ・ロックで来日したときのメンバーと一緒に演奏しているレストラン、Chaya Brasserieに遊びに行ったとき、あのバンドのドラマー、Daniel Glassもやってきて、話をすることになった。

Bloodest Saxphone その時、彼らが何度か日本に行ったことがあって、ザ・トラヴェラーズやブラッデスト・サクソフォーンと一緒にやっているという話を聞かされたんだが、実を言えば、ブラサキ(後者の通報です)の甲田くんが、いつもライヴに誘ってくれているんですね。それなのに、タイミングが悪くて、全然見られない状態が続いているという... しかも、今回は、ちょうどこの日に東京で、この新しいアルバムを発表してのツアー・ファイナルを迎えていたわけで... ところが、あまりに忙しくて、メールに返事をすることもできず、ロスに飛んできてしまったといういきさつがある。いやぁ、申し訳ない。彼がここをチェックするとは思わないけど、ごめんなさいね。(ちなみに、ブラサキのこの新しいアルバム、歌は下手だけど、1曲だけ歌ものが収録されていて、裕次郎の「夜霧よ今夜もありがとう」なんだな、それが。アイデアはいいなぁ。こういった曲をピックアップしてくれたことは嬉しいなぁ... もうひとつなにかがあれば嬉しいんだけどなぁ)

 まぁ、そうやって考えれば、ロスでも東京でも同じような仲間のバンドに不義理をしたことになる。ダメだなぁ... なんて思います。両方ともスイング・ジャズををベースにしたコンボで、レトロな風味が大好きではあるというタイプ。20年ほど前に、ちょうどロンドンでジャズが再発見されていった頃、ロンドンで同じようなバンドを取材したことがあって、シュヴァリエ・ブラザーズ、レント・パーティ(この2枚は当時、ビクターから発売されたはず)、ビッグ・タウン・プレイボーイズ(ジミー・ページか、ロバート・プラントだっけかと、ジェフ・ベックと仲良しじゃなかったなぁ)あたりがその流れにはいるのかなぁ。そういったスイング系のシーンが、おそらく、ストレイ・キャッツのブライアン・セッツァーの影響なんだろうけど、アメリカでも大きくなっているようで、いっぱいいるんだとか。

 こういったシーンはとても健康だと思うし、ライヴでの楽しさは格別。なにせ元々ダンス・ミュージックだったジャズの面白さを十二分に抱えている音楽だから、楽しくないわけはない.. といった趣なのだ。どこかで「お偉くなったジャズ」に欠けていたものを全て彼らが持っているという感じで、好きなんだが、同時に、どこかで「昔と同じじゃん..」という気持ちになることもある。そこに、どうやって「自分たち」の時代や存在が組み込まれていくのか? そんなあたりが鍵になるんじゃないかなぁと思う。そうじゃなければ、踊りのダシだけのバンドになってしまうかもしれないし... 

 ブラサキを初めて見たのは、勝手にしやがれがタワー・レコードの渋谷でイン・ストア・ショーをやったときの前座だったんだけど、この時はすごく面白いと思った。どこかで「いなたい歌謡曲的」ニュアンスが見え隠れして、ベーシックなサウンドとのバランスが微妙に面白く、楽しかったのだ。おそらく、演奏はうまくなっているんだろうけど、ただ「ジャズ」をやりたいんだろうかなぁ... と、以前見たときに思った。

勝手にしやがれ 一方で、勝手にしやがれの方は、元来パンクだったという、彼らのエネルギーが音楽そのものにもどんどん飛び出しているし、雑食なんだろう、いろいろなものを飲み込んでいる。実際、一番新しいアルバム、「シュール・ブルー」(だったと思う)では、一度、ドラマーの昭平君に貸してあげたフランキー堺の名作「この素晴らしい世界」からアイデアをいただいたなんて話も聞かされているし、彼がアストル・ピアソラ(最初に聞くなら、「ラ・カモーラ」かなぁ)からブリジット・フォンテーヌ(「ラジオのように」が名作よ)まで、とてつもなく個性的なアーティストの音楽を吸収しながら、「勝手」の味を作り上げているのが伝わるのだ。加えて、演奏ではメンバーが「エンターテインメントじゃん!」という姿勢と、パンクのエネルギーをごったにして見せつけてくれる。何度見ても飽きないし、彼らのパワーが大きくなっているのがわかる。今の彼らを見ていいて思うのは、まだまだ可能性を秘めていること。そして、まだまだ大きくなるんだろうってこと。別に売れたからいいわけじゃないけど、こんなバンドはもっと売れてほしいと、常々思うのよ。



投稿者 hanasan : 09:16 | コメント (0)

2005年11月16日

なんて眩しい月夜なんだ

Paul Anka 今日の夜空は(といっても、まだ、朝になる前の夜空よ)雲ひとつない快晴のようで、満月がとてつもなく眩しく輝いている。ちょうど今、ゴミを捨てに行ったんだけど、あまりのまぶしさ、そして、夜空の明るさにびっくりしてしまった。

 その月の下にやたらにきらめくような光を放っている星があるんだけど、これって、なにだっけ? と、そんなことを思っていたら、頭のなかでこのアルバムが聞こえてきた。今回、ロスに行って、友人のウイリーが、奥さんに買ってあげたアルバムなんだけど、これ、こんな夜空の下で聞いていたら、ひとっ飛びに映画のような世界に放り込まれるってな感じ? 「ダイアナ」とかってポップな歌の世界でしか、ほとんど知られていないだろう、ポール・アンカが、ビッグ・バンドのジャズをバックに、めちゃくちゃおしゃれなスイング感いっぱいでロックの名曲を歌っているというアルバムなんだけど、これにははまった。車のなかで初めて聞くことになったんだけど、本当のビッグなバンドが完璧なアレンジで演奏し、それにのせて「ジャズ」としかいいようのない声があふれ出るように聞こえてくる。これ、一発ではまりました。

 しかも、ここに収録されている曲は、いわゆるロックのヒット曲ばかり。しかも、ニルヴァーナからボン・ジョビ、キュアー、オアシス... と、そんなのが、「ン?オリジナルって、っどうなんだっけ?」と思えるほどの完全なジャズとして演奏され、歌われているわけだ。実際のところ、そういったロックの有名な曲をあまり知らない自分にとっては、それとは無関係に素晴らしいジャズ・アルバムだなぁと感心したのが最初で、カバーだと知ったのは説明を聞かされてから。いやぁ、あっぱれです。

Barry Manilow しかも、このアルバムを発表しているレーベルはヴァーヴ。ダイアナ・クラールで大成功した老舗ジャズ・レーベルが、またまたやってくれたという感じ。これを聞いていて、思い出したのが、その昔、「コパカバーナ」というポップスのヒット曲しか知らなかったバリー・マニロウが作ったアルバム「2:00 AM Paradise Cafe」。結局、このアルバムも終生のベスト・ジャズ・アルバムということになってしまったんだが、これを聴いたときと同じような衝撃を受けたというか... なにせ、アレンジにしろ、ヴォーカルの表現力といい、もう、脱帽です!ってほどにジャズの魅力を全て詰め込んでくれているのだ。

 まぁ、あまりジャズなんて興味ないって人もいるかもしれないけど、いいよぉ、こうゆうの。たまには聞いてみればどうでしょうね?バリー・マニロウより、このポール・アンカの方がロック・ファンには入りやすいかもしれませんけど。なにもかくにも曲がロック・ファンにはなじみのあるものばかりなので。

 でも、それよりなにより、このアレンジ、演奏... 全てがすごすぎますなぁ、このアルバム。聞いて直ぐに買おうと思ったのって久しぶりです。まぁ、ちょっと気になるのは、アメリカ盤の輸入盤が最近、やたらに高いのって、例の輸入盤禁止の法律のせいじゃないのかしらってこと。アメリカの業者から直に取り寄せたら1800円(それに送料がかかるんだが)ぐらいだというのに、アマゾンでもアメリカ盤の方が日本盤よりも高い。そういったことに、最近、頻繁に気がつくようになったんだけど、こうやって「慣らされて」政治的な圧力を忘れさせられるのではないかと思う。どう思います?



投稿者 hanasan : 02:39 | コメント (0)

2005年11月15日

My Friend, Willie McNeilとKing King

Willie McNeil ロスに行って、お世話になったのはウイリー・マクニールの家。かつてジャンプ・ウィズ・ジョーイという、実にユニークなスカ・バンドの中心メンバーでドラマー。そのバンドで何度も来日しているし、80年代終わりぐらいからのスカ・ファンだったら、おそらく、彼らのアルバムも持っているかもしれない。オーセンティックなスカをベースとしながらも、ロカビリーからジャズ、キューバン・ミュージック的な要素も含みながら、独特のテイストを持っていたのが彼ら。そのファンも多かった。日本で最初に発表されたのは"Ska-Ba"というアルバムで、そのアルバムのライナーを自分自身とスマッシュの日高氏が書いていたように覚えている。

Jump With Joey その後、スキャタライツのアルバム・ジャケットをパロった... というか、そのままいただいた"Strictly for You 2"を発表して、すでに他界したローランド・アルフォンソや、トロンボーンの巨匠、リコ・ロドリゲス、それにウォーのロニー・ジョーダンなどをゲストに迎えて、名作、"Generations United"と続いている。その3枚はクアトロにライセンスされて、日本でもしばらく入手可能だったんだが、その後、99年に"Swingin' Ska Goes South of the Border"というタイトルで発表された作品は、残念ながら、日本では発表されなかったんじゃないだろうか。ウイリー曰く、これこそが自分たちにとって最高傑作だったと語っているんだが、実に残念だ。結局、これが最後のアルバムとなって、バンドの中心だったジョーイ・アルトゥルーダは映画音楽の方面に進み、ウイリーはキューバン・ミュージックに傾いていくことになる。

Jump With Joey といっても、その終焉からしばらくの後、ジョーイのプロジェクト、"Cocktails with Joey"をウイリーが手伝っていたこともあった。マーティン・デニーあたりのセンスにも近いエキゾチックなタッチを持ったこのアルバムも素晴らしかったし、自分の仲間内では、2枚目として登場した"Kingston Cocktail"の評価が異様に高かったのも覚えている。もし、チャンスがあったら、そして、あの、癖のある、ユニークなスカ・バンド、ジャンプ・ウィズ・ジョーイを気に入っていたようだったら、このアルバムは絶対にチェックしてほしいと思う。絶対に後悔はさせないから。確か、このアルバムには、本来、映画"ゲット・ショーティ"のために作られたという曲も収録されていたはずだ。なにが問題だったのかは覚えてはいないが、結局、それが使われることはなく、そのタイトルを「フォーゲット・ショーティ」とした、なんて話を聞いたものだ。

Solsonics その一方で、ウイリーはアシッド・ジャズに接近。(キューバ音楽に完全にとっぷりとはまる前のことなんですが)Solsonicsというバンドを作って"Jazz in the Present Tense"というアルバムを発表している。これは日本盤が発表されていて、そのライナーを書いているのが私です。なかなかいいアルバムで、これはよく聴いた。面白いのは、このバンドのメンバーとして、かつてフィッシュボーンのツアー・マネージャーをしていた日系人のジミー・スズキがメンバーとして加わっていたこと。この時も世の中って狭いなぁと思ったもんです。

 そういえば、実をいえば、ジョーイとウイリーのつきあいはめちゃくちゃ長くて、70年代終わりのロス・アンダーグランド・シーンで最も人気のあった3グループのひとつが、彼らの作っていたチュペーロ・チェイン・セックスというバンド。で、他の二つというと、フィッシュボーンとレッド・ホット・チリ・ペパーズということで、そのあたりからもウイリーのロスでの評価や立っている場所が想像できると思う。(しかも、このバンドの3枚目を今回、中古盤屋さんでみつけて購入しているんだが、そのなかにロンドンの仲間、ジェイソン・メイオールのクレジットがみつかる。この頃、ジェイソンはロスで映画の勉強や中古衣料の買い付けの仕事をしていたらしい。彼らのつきあいも長いのだ)

 で、この"Jazz in the Present Tense"を出した頃には、ウイリーはいろいろなところでその才能を発揮しているんだが、そのひとつがSkatemaster Tateというグループ。(メンバーだという説もあるんだが、確認してはいない)その音作りを手伝って、それが"Rebirth of the Cool"というコンピレーションに収録されているはず。(なお、このシリーズはめちゃくちゃいい。ジャズのティップを持ったいろいろな曲が楽しめる)今、手元にはアナログしかないんだけど、確か、このCDを買ったときに彼のクレジットを見たような記憶がある。その他、Guruが"Jazzmatazz 2"を出した頃には、そのドラマーとしてロンドンでライヴもやっていた。実は、この時の前座が大好きなベン・ハーパーで、満足にリハもさせてもらえなかったというのに、Guruたちを完全に喰ってしまったのがベン。いまだに、この時のライヴが、過去10年間で最高のものだと思っている。

 おっと、話がそれてしまったが、デビューする前にプロデュースをウイリーに依頼してきたのがグラミー賞を取ってしまった"オゾマトリ"。なんでもこの時は、「おまえたちはもう完璧だから、俺のプロデュースなんて必要ないよ」と断ったというんだけど、もったいない話だ。とまぁ、ともかく、いろんな意味で才能があり、ドラマーとしても屈指の存在がウイリーで、ロスで最も信頼できる友人のひとりが彼なのだ。

Willie McNeil その彼がジャンプ・ウィズ・ジョーイの頃からレギュラーとして演奏していたのがクラブ、キング・キング。といっても、あの当時のキング・キングはラ・ブレアにあったと思うのだが、それが一時閉店して、再び復活したのがハリウッド・ブルーヴァード。以前のキングキングはこぢんまりしていて、文字通り中華料理屋さんを改造して作られてもので、ステージの脇だったかに、龍が空を飛んでいるってな雰囲気の飾りがあったように思う。で、復活したキングキングは、以前のものよりも遙かに大きい。といっても、あの中国風味はそのままで、もっとおしゃれになった感じだ。

 なんでもロスではお皿を回すDJ主体のクラブはいっぱいあるんだが、実際にライヴを演奏して楽しめるようなクラブはほとんどないらしく、そんな意味でもここがライヴ・ミュージックにとってとても重要な場所となっているんだそうだ。そういえば、ロスについた翌日だったかに、ここで日本のバンドがいっぱい集まってライヴをやっていたという話も聞いた。

Willie McNeil で、そのキング・キングで毎週火曜日にライヴをやっているのが、ウイリーを中心としたSono Luxというバンドで、本格的なキューバン・ミュージック。なんでも、こういったバンドはいるらしいんだが、ライヴになると正装して行くのがスペイン語系の人たちの世界。だから、もっとラフな感じで、楽しくできるものを目指しているんだとか。しかも、9時から10時まではダンス・レッスンもあるようで、ちょうどウイリーたちがセッティングをしている間にそのレッスンの様子を見ることができた。まぁ、基本的にダンス・ミュージックで、バンドが演奏しても、それが最も大きな楽しみだというので、ステージを見て楽しんでいる人たちよりも、踊りまくっている人たちの方が多かったのが、一般的なライヴとの大きな違いだったが、この楽しい雰囲気はやみつきになりそう。なにせ、踊れなくても、自然に身体が動いてしまうのが彼らの音楽。キューバンミュージックやサルサあたりになると、ほとんど知らないんだけど、否応なしに身体を動かすというだけでも、彼らの音楽は素晴らしいと思うのだ。

 そんなに簡単にロスに遊びに行くこともないとは思うが、もし、チャンスがあったら、このキングキングには遊びに行って欲しいと思う。けっこうオルタナティヴなハリウッドが覗けると思うので。



投稿者 hanasan : 17:12 | コメント (0)

2005年11月13日

なんとなくロスまで

Michael John なんとなくアメリカに向かった。なんでアメリカか?っても、とりわけ大きな理由があるわけでもなく、フライト代が安かったから。それに、久しぶりにロスの友人を訪ねたかった。と、まぁ、それだけのこと。実を言えば、海外で友人の家に泊まることが多くて、下手をすると日本にいるよりもお金がかからないことも多々あるというので、格安のKorean Airを使ったんだが、たいていの場合、トラベルこちゃんという、けっこうふざけた名前のサイトで格安プランを探してチケットを購入することになる。今回は往復のフライト代が36800円なんだけど、結局、税金や燃料チャージ(ふざけてるよね、これ)なんてのがついて56000円強となった。でも、まぁ、いいや!と思って出かけたのだ。

 ところがこの格安フライト、ロスにつくのが朝の7時半。さすがにこの時間に友人に迎えに来てくれとは言えず、到着後、空港の外でタバコを吸っていたときに出会ったのがこのアルバムの主、MJ、マイケル・ジョンという人物だった。アメリカ行きのフライトって、ライターを持っていけないから、(しかも、到着した空港でも売っていない)誰かに火を借りることになるんだけど、なにやらのんびりとコーヒーにでっかいケーキのような代物をほうばりついていたのが中年のおじさん。ギターとちっさなスーツケースをそばに置いていたんだが、ちょっと話を始めたら「おまえ、どこ行くんだ」と尋ねられ、「ハリウッドの友人の家だ」と応えると「じゃ、一緒に来い」と、まぁ、そんな流れになってしまったのだ。

 で、どう見ても悪人面をしていないし、話をしてみたら、ミュージシャンだと言うし... というので、話に乗ったんだが、車を止めている駐車場でひと騒動。なんと、キャッシュが全然ないというので、そこまで送迎してくれたドライヴァーに払うチップもないという。結局、それを自分が払ってあげることになったんだが、さて、駐車場の料金をカードで払おうとしたらリジェクとされて... 「下手すると、俺が払うのか?」と頭のなかで悶々と考え出す羽目になる。そりゃ、ねぇだろう、そうしたら空港に戻って... なんぞと考えつつ、クレジット会社のカスタマー・サービスに電話してみたら?とアドバイス。すったぁもんだのあげく、なんとか、そこの払いはできることになって、移動を始めたわけだ。そして、その道中、自分が音楽関係のジャーナリストで写真家でもある旨を伝えると自分のアルバムを差し出して、聞くことになったのだが、これが全然悪くない。

 第一印象は、けっこうレイドバックしたシンガー・アンド・ソングライターといった感じで、曲によってはジミー・バフェットなんぞを思い出したり... ポコとか、ああいったウェストコースト的な響きのある音なんだが、なによりも思ったのは、ホントに同一人物かい?ってこと。なにせ、隣でおんぼろ車を運転しながらだみ声で話しているおっさんはどう見ても、うだつの上がらない中年男。ところが、アルバムから聞こえてくる声は、かっこいいのだ。しかも、バックのメンバーがいい。っても、名前を知っている人は誰もいないんだけど、メンバーのなかにはスパイロ・ジャイラなんてフュージョン系のグループに関係している人物もいるようで、なかなか面白い。

Michael John といっても、発表しているアルバムは2枚で、こちらは2004年発表最新作の「The Edge of the World」。もう一枚は98年発表と30年のキャリアで2枚のアルバムを発表しただけらしい。ベースを置いているのはコロラドで、どうなんだろうなぁ、音楽でメシを食っているようには見えなかった。

 それでも、このアルバムには「Die for You」という曲が収録されていて、これはどうやらイラク戦争のことを歌っているとのこと。やっぱり、ひさびさの、おそらくは8年ぶりのアメリカに来て最初に出くわしたのはブッシュ政権でのアメリカの影だったように思う。彼自身の関係者でイラクでなくなった兵はいないということだが、あの戦争に対する疑問を彼も抱えてたようだ。その話は、ここで数日間世話になった友人、かつてジャンプ・ウィズ・ジョーイというバンドで活動していたウイリー・マクニールとも繰り返すことになる。自分たちのまわりには誰ひとりとしてブッシュを支持している人間はいないし、彼のおかげでアメリカが世界の嫌われ者になったことを吐き捨てるように語るのだ。そして、西海岸にも東海岸にもブッシュのアメリカがないことを強調する。ただ、中西部などに行くと「バカじゃねぇか!」と思えるほどの「ブッシュのアメリカ」があるんだそうな。といっても、カリフォルニアでさえ、シュワルツネッガーを知事にしてしまっているんだから、西海岸がそれほどまともとも思えないんだけど... っても、この時の選挙でシュワルツネッガーの保守的な政策は全て否定されることになっただけ健康かもしれないが。



投稿者 hanasan : 12:34 | コメント (0)

2005年11月12日

なんで値下げやねん?

UNCUT しばらく更新ができなかったのは、忙しかったから。なにせ毎日毎日Smashing Magの更新作業をしていて、半端じゃない分量のおかげで自分自身のサイトの更新がどうしても後回しにされるのだ。たまにアクセスログなんぞをチェックしてみるんだが、毎日平均で600人ぐらいがここを訪れているわけで、なんか申し訳ないなぁなんぞを思うのだが、どうしようもない。少なくとも、毎日なにかのことを書いていこうと思っていたけど、まぁ、それは不可能だというのがよくわかったということで、ご勘弁を。

 で、久々に書くことはなにかと言えば... また、アルバムのことだ。本当は、そんなことを話している余裕なんて全然ないほどの危機的な政治状況のなかに僕らが置かれているというのに... 直接的な危害を直接的に感じない限りこの国の人は動かないんだろうなぁというのが本音。ヒットラーと同じ人物と「戦没者」とは名ばかりの「兵士」を祭っている靖国神社に国の首相が参拝しても「内政干渉だ」と、おめでたいことを言ってのける日本人は、こういった政治を待ちわびていたんだろう。早く憲法を改悪して、戦争にでも行ってくださいな。私ゃ、いつでも日本を棄てる覚悟はできてますから。

 おっと、また、そんな話になってしまいそうだが、それはゆっくりと時間があるときにきちんと書き残しておかないといけないなぁということで、今回はザ・バンドのボックス・セットのこと。実をいえば、すでに発表される過去のボックス・セット(Across the Great Divide)も買っているし、ザ・ラスト・ワルツのDVD(国内盤、安いよ!)も、新たに未発表曲が追加されて発表されたサウンド・トラックの4枚組(国内盤 / US import)も持っているけど、また買ってしまったわけです。なにせCD5枚組にDVDがついて、ここには未発表の映像が収録されているというし... これはボックス・セットのアルバムというよりは、素晴らしい本にCDやDVDがついているという構成で、まぁ、ザ・バンド好きの虫が疼いてしまったわけです。

 で、清水の舞台から飛び降りる気持ちで11000円強で買ったんだけど、満足しました。まぁ、輸入盤ですから、読むのは面倒ですけど、時間があるときに読めばいいし...加えて、写真も素晴らしい。ひょっとしたら、写真集だと言ってもいいほどのクオリティの写真がぎっしりと収録されているから、それで文句を言っていたらなぁ... なんて思っていたわけです。なにせ、これの国内盤は16500円と、めちゃくちゃ高いから。これだって、実物は見ていないけど、おそらく、文章の内容を翻訳したものをそのまま小冊子的なものに印刷して放り込んでいるだけだろうし、本の部分が日本で印刷されるわけなんてありませんから。

 ところが、いつの頃からか、このUS importが値下げされているじゃないですか。しかも、現在の価格は7800円弱。日本円がどんどん安くなっているというのに、なんで?と思いつつ、やたら悔しい思いをしてしまったのだ。まぁ、それで多くの人が購入できるんだったら、いいんだろうけど。それに、ここに収録されている「未発表曲」とかって、個人的にはあまり興味もないし... というか、これまでそういったものでいろいろアルバムの再発売を手にしているんだけど、結局は、オリジナルのアルバム、しかも、アナログが一番いいというのはよく知っているから。それよりもなによりも、映像なんですよ。DVDに収録されている映像に魅力を感じるのね。だから、この値段だったら、満足どころか、安いって思ってしまうほどだからね。

 特に、ビッグ・ピンクでの初期の映像が面白かったし、最後のツアーの頃、テレビに出演した時の映像が数曲分収録されているんだが、これが素晴らしいのね。ライヴなのに、なによ、これ?ってぐらい完璧な演奏。これには参りますわ。自分にとって、デビュー・アルバムのMusic From Big Pinkよりも、実質的なラスト・アルバム、Northern Lights Southern Crossの方が大好きで、この頃の完全な演奏が見られるというのは、それだけでも大ヒットなんですな。

 ということで、まぁ、また時間があったら、こんな四方山話を書いてみようと思います。読んでくれる人がいるのかどうか知らないけど。



投稿者 hanasan : 11:02 | コメント (0)