« The West Coast Pop Art Experimental Band、再びサイケデリックにはまる | メイン | Neil Young : 戦争と生きる! »

2006年05月13日

Rodrigo Y Gabrielaに首っ丈

Rodrigo Y Gabriela きっかけは、例によって友人なんだけど、昨年のグラストンバリー・フェスティヴァルでこの二人のステージを見て、虜になったようだ。そんなこともあって、しきりに彼が「チェックしろ」というので、昨年、amazonで『Live : Manchester Dublin』というアルバムを注文したんだが、ずいぶんと長い時間待たされたあげく、「入手できませんでした」というメールが届けられ、結局、聞くことはできなかった。

 それから、しばらくしてみつけたのがシンプルにバンドの名前を付けただけの新しいアルバム『Rodrigo Y Gabriela』。これはDVD付きの限定版なんだが、同じようにDVD付きということで、『Rodrigo Y Gabriela』というのもみつかった。こちらの方が値段が安いんだが、どこに違いがあるのかは、全然わからない。ひょっとしてジャケットの違いかなぁ。

 とりあえず、紙ジャケットとなっている前者の方を注文して(その時点では後者の存在は知らなかったので)、今回は数日で届けられたんだが、これを買って大正解だった。なによりも,マルチー・リージョンとなっているDVDで見る彼らのライヴに驚かされるのだ。(PALだということだけど、問題なく見られました)ロドリゴという男性とガブエリエラという女性の二人が、ステージに座ってギターを演奏しているだけ。それなのに、この二人から放たれるエネルギーといったら... まるでロック・バンドのような迫力なのだ。

 

Rodrigo Y Gabriela 基本的な音は、おそらく、かつて一世を風靡したジプシー・キングスの流れにあるものなんだろう。というか、そう説明するのが最も簡単だ。が、決定的に違うのが、その底辺に流れるロックなタッチ。ジプシー・キングスは、当時のワールド・ミュージックの流行にのってどんどんと「おしゃれな音楽」へと変質を余儀なくされたんだが、そのプロセスで本来持っていた、ざらつきのある感覚が失われていったように思える。彼らと初めてインタヴューした80年代の半ばって、けっこうそんな感じだったんだけ、しばらくするとプロモーション・ヴィデオがどんどん「ファッション」「パリ」ってな感覚になって、彼らもとんでもないスターになっていったからね。(というので、彼らに関していえば、メジャー・デビュー前のこのあたりのアルバム『ジョビ・ジョバ The Best』がおすすめです)

 っても、ロドリゴとガブリエラには「荒々しい」息づかいと、野太いタッチを強力に感じるのだ。その謎を解く鍵として、このDVDがとっても役にたった。ここにはライヴの映像のみならず、おそらく、テレビ番組かなにかで制作したドキュメンタリーのようなものが収録されていて、そこで彼らのインタヴューから、以前の活動の映像なども含まれているのだ。それによると、このユニットを始める以前、この二人はそれぞれメキシコで別々のヘヴィー・メタル系のバンドをやっていたんだとか。そう、彼らは元々ロックな人たち。おそらく、そういった感覚が演奏に詰め込まれているんだろう。

 元々路上で演奏するバスキングで徐々に知られ初めて、グラストンバリーあたりを契機にメジャー・ブレイクしていったという感じで、すでにアイルランドではチャート上位(ひょっとしてNo.1になったのかもしれない)に登場するぐらいのメジャー的な存在となっているとのこと。そうやって、生まれたのがこのアルバムで、プロデューサーとしてクレジットされているのがレディオヘッドやミューズあたりを手がけているJohn Leckie。といっても、ミュージシャンの持つ味を殺すことなく... というよりは、彼らが持ち味を最もいい形で『記録する』という作業に徹しているような仕上がりになっている。っても、これはでっかい音で聞いてほしいなぁ。その迫力にぶっ飛ばされるから。「本当に、ギター2本なの?」って感じで、ギターをパーカッションとしてとんでもない使い方をしているんですな。面白いのは、そういった演奏の仕方をこのDVDで説明してくれていること。ミュージシャン指向の人だったら、このあたりは参考になると思いますよ。



 

投稿者 hanasan : 2006年05月13日 13:02

コメント