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2006年09月21日
中山うりに脱帽です。
9月17日に渋谷のクアトロでアサイラム・ストリート・スパンカーズの撮影をして、すでにそのレポートはSmashing Magにアップしているんだが、その日はまってしまったのは彼らではなく、前座として登場した中山うりだった。
小柄な女性で、失礼な言い方かもしれないが、一見すると、どこにでもいるような普通の女の子。ところが、その彼女がアコーディオンを抱えてステージ中央に腰をかけ、生ギター、ウッドベース、そして、ドラムスというシンプルな構成ながらもつぼを押さえた演奏をするバックの音に乗せてひとたび歌いだすと、圧倒的な存在感を見せるのだ。ちょっと子供っぽい印象のある顔立ちの彼女から出てくるのは、なにもかもを悟ってしまったかのような大人の女を感じさせる声。乙女と母が同居しているかのような、その歌と歌詞の向こうからはどこかで懐かしい光景が鮮やかな色彩を持って浮かび上がる。けっしてなにかを訴えかけるというものではなく、どこかで情景を描きながら、その景色の向こうに見えるものをほんのりと浮かび上がらせてくれるといった感じだろう。それは色づき始めた頃の映画に近い。加えて、その歌からは優しく人間を見つめる彼女の視線を見て取ることができる。
といって、それはあのライヴのあと、iTune Music Storeで発表されている曲を何度も聞いて思ったこと。その段階で「今週のシングル」として1曲が無料ダウンロードできたのだが、あまりの素晴らしさに結局、EPとして発表されている5曲を買ってしまうことになったのだ。なんでもこの時の値段が600円だったんだけど、それは、そのうち1曲が無料だったからで、現在は750円で出ている。
いずれにせよ、彼女の作品はCDとしてはまだ出ていないので、ある程度まともな音質で聴くとしたら、ここでしか買えないというのが現状のようだ。ただし、DLしたこれをiTuneでCDに焼いてステレオで聴いてもいい音に聞こえる。おそらく、プロデューサーの手腕なんだと思うが、ヴォーカルが前面に出てくっきりと聞こえるのが素晴らしい。なによりも、彼女の魅力がその声と歌にあることをよくわかっているんだろう。これほどくっきりと声が浮き上がるものってそれほどはないと思うのだ。というのも、バックの音で「歌の下手さ」をカバーしているのが最近のCD。まともには聞けない代物が多すぎるのだ。
面白いのがマネージャーかぁ... あるいは、プロデューサーなのか、この時、10数年ぶりにS-Kenと会ったこと。その昔、友人が作っていたプレス・クラブというところで共同生活のようなことをしていた頃があり、その頃の仲間を介して彼と接触したことがあった。そんなことを思い出しながら、ちらりと彼と話をしたのだが、人間のつながりなんてそんなものだろう。どこかで必ず再開するのだということを思い知らされた。当時、PCM(プレス・クラブ・ミュージック)というのを設立して、最初にPILのキース・レヴィンの録音したアルバムを通信販売した記憶があるんだが、数百枚は売ったかなぁ。ひょっとしたら、今もうちにその現物があるかもしれないが、どこにそれがあるのかははっきりしない。
そんな余談はともかく、チャンスがあったら、ぜひ聴いてください、この中山うり。自分にとって今年出会った日本人のミュージシャンではトップになります。衝撃でした。なんでも毎月1回、ワンマンでライヴをしているということで、Smashing Magの船橋君が書いたこの原稿に詳しくその情報が載っている。それを参考にして彼女を体験していただけたらと思います。けっして後悔はさせませんから。おそらく、この日だったら、スケジュールに問題がないので、また撮影で入らせてもらおうと狙っているので、これを読んだ人とそこで会えるかもしれません。
なお、iTMSのバナーでは未だに中山うりのシングルが無料ダウンロードできると書いていますが、これは、自動的に新しいものに替わるはずのもの。すでに彼女の作品ではなくて、次の作品になっています。なんでこんなことになるのか、私にはわかりませんが、彼女の宣伝になるのなら、それでいいやと思って、そのままにしています。あしからずご了承を。
投稿者 hanasan : 2006年09月21日 15:52