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2006年10月26日

愛の唄、聴かせます Vol. 2 - Sunny : Ann Burton

Ann Burton とどのつまりがラヴ・ソング、愛の唄につきる。そう思うことが少なくない。誰かに恋をしているとき、愛している人がいるとき、そればかりか失ったときにだって、いつも「愛の唄」が、どこかで自分を救い出してくれたり、癒してくれたり... だから、自分にとって宝物のような愛の唄を紹介していこう... と、そう思って始めたのが完全不定期なこのシリーズ。どんなものが飛び出すか、それはこれからのお楽しみ。さて、今回は?

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 なぜかこの曲、「サニー」には縁がある。この曲を意識したのは80年代の終わりで、あることがきっかけでオンワード樫山の紙媒体キャンペーンに巻き込まれた頃だった。最初はジョン・ルーリーをモデルに起用して、その次がニック・プリタスという友人のミュージシャン。このときに関わりが始まったのだが、その次に起用されたトーマス・ラングとはこれをきっかけとして友人となっている。このとき、宣伝キャンペーンとしてジャズ・ヴォーカルのコンピレーションを作らないかというアイデアが浮上した... というよりは、自分でやりたかったから、そのアイデアを出して納得させたという方が正しいんだけどね。本当は自分で選曲したのに、表面上はトーマスの選んだ愛の唄」というのがそのコンセプトだった。

 そのときのアルバムの最後に使ったのがアン・バートンの名作、『ブルー・バートン』に収録されていたこの「サニー」だった。スタンダードばかりで構成していたことを考えると、この曲はちょっと異色だったのだが、どうしても入れたかった。なぜか? 単純に、この曲が好きだったからだ。

Mackenzie 歌は至極単純なんだが、愛の唄なんてそんなもの。逆にそれがいいのだ。出だしはこんな感じだ。

「Sunny, Yesterday my life was filled with rain. Sunny, You smiled at me and then it eased my pain.」

 少しだって英語の知識があれば、簡単にわかるような言葉だ。サニーとは、人の名前ででもあり、同時に、太陽の光から来るサニー、形容詞の陽気で晴れた... といった意味もある。だから、それをみんな込めて、「サニー、昨日まで私の人生は雨まみれだったのに、あなたが私に微笑んでくれて、それが私の苦しみを消し去ってくれた」とこの曲が始まるのだ。当然のように、rainとpainに韻を踏んである。

「Now the dark days are gone, and bright days are here. My Sunny one, so sincere, Sunny one so true, I love you.」

 暗かった日々は過ぎ去って、輝かしい日々がやってきた。私の輝く人、あなたは限りなく誠実で、嘘がない、あなたを愛してる.. と続くのだ。

Sunny, Thank you for the sunshine bouquet. Sunny, Thank you for the love you sent my way.

 陽の光の花束をありがとう、私に届けてくれた愛をありがとう。

You gave to me your all and all. And now I feel like I'm ten feet tall. Sunny one so true, I love you.

 あなたは、私に全てを捧げてくれた。とっても、私が大きくなったように感じる。私の輝く人、あなたは本物なの。愛しているわ。

Ann Burton と、まぁ、女性が歌っているヴァージョンを聴いたから、こうやって女の言葉で書いてしまっているんだけど、オリジナルはそうじゃなくて、Bobby Hebbという男性で、なぜかそのオリジナルは聴いたことがない。というので、このアン・バートンのヴァージョンをベースにして作ったのがサンドラ・クロスのアルバム『Just A Dream』だった。ちなみに、このアルバム、amazonでは高値がついていますが、うちに連絡してくれたら送料込みで2000円ぐらいでお譲りします。もちろん、新品です。なにせ、私が、ロンドンでレーベルを作ってリリースしていますから。

 この名曲『サニー』は、とんでもなくカバーされていて、自分が知っている限りでは、面白いところで、勝新太郎の『夜を歌う+8』というのがある。でも、ちょうど、サンドラとこの曲を録音して、その直後に出くわしたのが、ロンドンの友人のレーベルで制作中だった、サックス奏者、レイ・カーレスのプロジェクトによるもので、それが結果として、当時、インコグニートのトロンボーン奏者として活動していたファイアズと彼のユニット、Frayzのアルバム『Phase One』となるんだが、これなんぞ、あっという間に廃盤となっている。彼らのヴァージョンも良かったのになぁ。

Ann Burton また、なんの因果かライナーを書くことになったイギリス映画の『ラッキー・ブレイク』というのがあって、その最後に、どうしようもなくうらぶれた登場人物のひとりがこの歌を歌ってる光景が出てくるんだが、それも良かったなぁ。うん、実に良かった。残念ながら、サントラでは、オリジナルのBobby Hebbのヴァージョンが使われていて、それを聴こうかと思ってCDの棚を探したけど、出てこない。なんてこったい。人生なんぞ、すべからく、そんなものなんだなぁと思う、今日この頃。

 そのオリジナルの歌詞をネットで探し出して、見ていたら、『ブルー・バートン』でのアン・バートンのヴァージョンは完結していなくて、最後のハートを歌っていなかったことが判明した。当然、それをベースにした、サンドラのヴァージョンも完結していないことになる。

 そのオリジナルをみてみると、

Sunny, thank you for the truth you've let me see. Sunny, thank you for the facts from A to Z. My life was torn like wind blown sand, Then a rock was formed when we held hands.

 ありがとう、私に真実を見せてくれて。私のこれまでは風さらしの砂まみれだったのに(ホントは、木っ端みじんだったと言っているようですが)、私達が手を取り合って固い絆を作ることができた。それから、あなたの顔に浮かぶほほえみに、ありがとう。あなたからわき出てくる明かりに、ありがとう、と続いていくんだが、それを知ったら、Bobby Hebbのオリジナルを聴いてみたくて、結局、そのアルバムを注文してしまった。HMVやTowerでは、そういった品物が手に入るというのに、amazonではそれがない。結局、amazonの弱みはそういったところになるのかなぁ... と結んでしまうこの原稿はなになんだろう... 本当は、このシリーズ、ラヴレター代わりに始めたんだけど、結局、こうなってしまうところが、自分のダメさ加減なのかしら。



投稿者 hanasan : 2006年10月26日 23:30

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