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2008年05月30日

Prenupというバンド、知ってる?

Eddie Reader My Spaceを始めてから、昔からよく取材していたミュージシャンと連絡が取れたり、先方からコンタクトがあったりと、なかなか楽しい思いをしている。大物というか、売れっ子のミュージシャンのサイトに関しては、本人がやっているとはなかなか思えないんだが、それほどじゃないと、実際に本人が管理していることも多々あるようで、いつだったか、これをきっかけにエディ・リーダーとメールの交換をしたことがある。昔から、彼女のソロ・デビュー・アルバム『Mirmama』(UK import / US import)に収録されている「What You Do with What You've Got」という曲が大好きで、まずはフレンド・リクエスト。そうしたら、OKのレスが返ってきて、彼女がブログにエディット・ピアフのことを書いたときに、「ピアフはパンクだと思うよ」といった旨のメールを出したことがある。それがきっかけで、レスが返ってきて、この曲に初めて彼女が出会ったときの衝撃なんかを教えてくれたんだが、そういった交流ができるのが面白いのだ。

 このほかにも、たまたま読んだのがリリー・アレンのブログで、向こうのメディアにぼろくそに書かれていることに対して、彼女が延々と「メディアの嘘つき」と糾弾している文章があった。それからしばらくの後、グラストンバリーのストラマーヴィルで彼女と会ったときに「あれ、ホントに自分で書いてるの?」と尋ねたら、「そうよ、もちろん!」という返事が返ってきたものだ。といっても、それ以前から彼女とは奇妙な縁でつながっていて、そのきっかけがジョー・ストラマーとフジ・ロックに来ていた親父さんのキース・アレン。イギリスでは著名な役者であるキースとは何度か会っていたし、彼女がデビューするずっと前、まだまだ子供の時に親父さんと一緒にフジ・ロックに来ていたこともあって、初来日公演の時に「あぁ、覚えてるわよ、フジ・ロックであったじゃない」と言われたこともあった。そこからグラストでのこんな会話が生まれたわけだ。

 それに前回書いたボビー・ウィットロックとココ・カーメルに関しても、彼らのMy Spaceを通じて繋がりが生まれて、自分がやった彼らのライヴのレポートや写真のお礼としてわざわざアルバムを送ってくれたり... と、ミュージシャンたちとの繋がりがどんどん広がっていくのがわかる。

Prenup そのボビーのMy Spaceへ、幾度かメッセージを残したことがある。彼らのライヴを取材して楽しかったこと、それに、レポートがSmashing Magにアップされた時にもその旨を書き込んでいて、どうやらそれを見たのがホットハウス・フラワーズのフィアクナ。おそらく、彼もボビー・ウィットロックが好きなんだろうと思うし、音楽のタイプや流れを考えると共通の友人もいるんだろう。いずれにせよ、それがきっかけでが彼からこんなメールが届くことになる。

「新しいバンドをやっていて、アルバムを作ったから聞いてくれるかい?」

 というので、当然ながら、「もちろん!」と応えて、届けてくれたのがこのアルバム、Prenup (プレナップと読むんだろうか)の『Hell To Pay』だった。メンバーとなってるのはフィアクナに、ホットハウス・フラワーズのメンバー(になったのかな?以前はサポートのような形で活動していたと思うんだけど)のデイヴ・クラーク、そして、ザ・ポーグスのケイト・オライアダンという三人のバンドで、このアルバムがけっこう気に入っているのだ。

 曲によってはディランからストーンズといった昔の「ロック」、いわゆるオールド・スクール的なサウンドを強力に感じさせてくれて、ちょっとトム・ペティなんかを思い起こさせたりもするのが彼らの音楽。amazonのレヴューにはザ・ポーグスのケイト・オライアダンのラインからこのアルバムに手を出して「ガッカリした」というのがあったけど、彼女のファンだったら、それもあるだろうなぁ。バックコーラスでしか彼女が入っていないし、メイン・ヴォーカルとしてフロントに立つのはフィアクナだと思う。ホットハウス・フラワーズのファンとしてこのアルバムを見ている自分とは全く受け取り方が違うんだろうなと思う。

 というので、最近お気に入りのこのアルバム『Hell To Pay』よく聞いているんだが、どうやら彼らがSXSWに出ていたようで、彼らのMy Spaceには昨年の3月17日のオースティンでの演奏模様がビデオで見られるようになっている。ということは、同じ日に、自分も同じ場所にいたのに、すれ違いだったわけだ。ちょっとショックですな。


投稿者 hanasan : 16:47 | コメント (0)

2008年05月26日

瓢箪から駒

Bobby Whitlock&Kim Carmel ずいぶんと長い間ブログを書けなかったのは、単純に忙しかったから。ホントは、少しでもなにかを残した方がいいと思うんだが、仕事を優先しなければいけないので、こういった結果となってしまう。アクセス・ログを見ると、毎日ここを覗きに来る人は1000人ぐらい。どれほど正確なのかはわからないが、なにかを期待してここに来てくれる人に申し訳ないなぁ... なんて思ってみたりもするんだが、仕方がありません。

 前回、スペインのコンバット・ロック、ボイコットのことを書いているのが2月だから、ほぼ三ヶ月ぶりの更新となる。あれから、3月の中旬にはテキサス州はオースティンのサウス・バイ・サウスウエスト・フェスティヴァルの取材に出かけているんだが、すでに雑誌なんかに書く意欲はなくて、自分が運営するウェッブ・サイトが発表媒体。というので、一銭の金にもならない。それから、4月にはバリ島で数年ぶりのお休みを取って、5月の頭にはヨーロッパに出かけて前述のボイコットの連中と再会している。そのあたりについて、現在、レポートをまとめているところ。

 すでに、サウス・バイ・サウスウエストのレポートは、このブログのホンちゃんのサイト、the voice of silenceのフォト・ギャラリーにアップしているのでチェックしてくれているかもしれないが、今回も素晴らしい音楽にいっぱい出会っていて、なかでも最もよく聞いているのがボビー・ウットロックとココ・カーメルの新しいアルバム、『Lovers』。自分のLast Fmのページを見てもらえばわかるんだが、この音源を手に入れたのが帰国してからなので、わずか一ヶ月半で30回近くもこのアルバムを聴いていることになる。

Derek and the Dominos そのアルバムの主、ボビーの愛妻、ココ・カーメルとは彼らのMyspaceを通じて連絡を取り合うようになって、先日、彼らからサイン入りのCDが届けられてきた。実に嬉しい。というのも、日本ではなかなか入手が難しくて、聴いていたのはiTunesで購入したモノ。実際にジャケットを手にとって、どんなミュージシャンが録音に参加していて... なんてことをチェックするのは音楽ファンの楽しみで、それがやっとかなうことになった。しかも、このアルバムのジャケットがこっていて、デジパックの観音開き+もうひとつという感じで、彼らが「アナログな感覚」を大切にしているのに感激です。それによると、このアルバムが録音されたのはウイリー・ネルソンのスタジオで、彼も録音に参加しているんだとか。クレジットによると3曲目の「トゥルー・ラヴ」と9曲目の「ディア・ヴェロニカ」(クラプトンとの共作)でリード・(アコースティック)ギターを弾いているのがウイリー・ネルソンだとか。なるほどねぇ。

 ちなみに、ボビー・ウィットロックといえば、最も有名なのがエリック・クラプトンばかりが語られる歴史的な名盤、『デレク&ドミノス』での役割やデラニー&ボニーの名盤、『オン・トゥアー・ウイズ・エリック・クラプトン』の参加で、前者に収録されている名曲『レイラ』は、おそらく、ロック・ファンでなくても知っていると思う。その「レイラ」を(本人によると)一緒に作ったのがボビーで、今回のアルバム、『Lovers』でも、最も気になるのが彼のヴァージョンによる「レイラ」だろう。自分自身は素晴らしい仕上がりだと思うんだが、どうやらロック好きのなかでは賛否両論別れているとのこと。気になる方はiTunesで購入でもしてくださいませ。1曲で150円だから、試しに聴くのも悪くないでしょ?

Stephen Bruton さて、そのアルバムでギターを弾いているひとりがシンガー&ソングライターでもあるスティーヴン・ブルトン。ライヴではそれほどリードは弾いていなかったんですが、このときのライヴがあまりも素晴らしくていろいろとチェックしていた流れで購入してしまったのが、彼のアルバム、『From the Five』。これがよかったなぁ。ライヴの写真と彼自身のMyspaceでの写真を見てあまりに表情が違うので、ココに尋ねると、癌の手術をしてすっかり変わってしまったとのこと。このアルバムに込められているのはアーシーで南部的なレイドバックした感じのロックで、基本的にこのあたりが好きな自分にはたまりません。なんでも地元の小屋で、来日したこともあるザ・レゼントメンツとして定期的にライヴをしているらしく、次回チャンスがあったらぜひ見てみたいと思いましたな。

 そういえば、今回のサウス・バイ・サウス・ウエスト・フェスティヴァルで、驚かされたのは本や雑誌でしか名前を聞いたことがない著名なミュージシャンたちがいろいろなところで顔を見せていたこと。ボブー・ブラムレットのバックで演奏していたおじさんたちが「めちゃくちゃうまいなぁ...」なんて思って調べてみたら、どうやらマッスル・ショーズのスティーヴ・ボイヤーがそのなかのひとりで、他にもそのあたりの顔ぶれがそろっていたらしいし... このあたりがこのフェスティヴァルの大きな魅力なんだと思いますね。しかも、音楽の都と呼ばれているのがテキサスのオースティン。アメリカ音楽好きにはたまりません。

Billy Bragg その他にもこのフェスティヴァルをきっかけにヘヴィー・ローテーションし始めたアルバムが結構あるんですが、その一枚がひさびさに見ることになったビリー・ブラッグの新譜、『Mr. Love and Justice』。(購入したのは2枚組の方で、同じ曲をひとりで演奏しているヴァージョンのCDが追加されたもの)これも素晴らしい。久しく彼のアルバムを聴いていなかったと思うんだけど、頭をぶん殴られるほどに「聴かせる」歌を作り、「聴かせる」表現力を持つようになったビリーに頭が下がったという感じですかね。以前は、その歌詞が「政治的」で「社会的」で、それが理解できなければ「彼の魅力はわからない」という人が多かったとも思うんだけど、さて、本当にそうなの? と、疑問に思えるようになったと言っていいと思う。確かに、自分もどこかでそんなひとりだったんだが、今回のこのアルバムでそんな危惧が全くなくなった。これは傑作です。これも聴き狂っている作品。ぜひ多くの人たちに聴いてもらいたい名盤で、彼にとっての最高傑作ではないかと思う。

 ちなみに、今回のサウス・バイ・サウス・ウエストで、嬉しかったことのひとつが、まるで反戦集会のような雰囲気で開催されたライヴ、ボディ・オヴ・ウォー。詳しくはそのときのレポートに記しているんだが、このときも、数曲歌っているのがビリー。しかも、最後に全員が出てきたときも、けっして出しゃばることなく、自分の役割をきちんと果たしていたのが、なんかビリーらしいなぁと思ったものだ。その一方で、自分のステージでは歌っていながら、最後に全員でウッディ・ガスリーの名曲、「我が祖国」を大合唱したときに姿を見せなかったベン・ハーパーにはどこかで失望したなぁ。そんなに自分のイメージが大切なのかなぁ。理由はよくわからないけど、あのとき、トム・モレロは彼に向かって声をかけていたし、「無理だというんだったら、いいよ」と口にしていたことから、ステージ袖に彼はいたはずなんだが... と、そんなことも思ったものです。

Kitty, Daisy & Lewis その他、今回の取材がきっかけで買ったのはロンドンをベースに活動するとんでもない家族バンド、キティ、デイジー&ルイス。セクシー・ダイナマイト系の姉妹が看板で、当然ながら、そっちばかりが話題になるのは仕方がないと思う。なにせ、スタイルがいいだけではなくて、めちゃくちゃ美人なのよ、この姉妹。でも、「結局、そうやってメディアで受けているだけじゃないの?」と、いう見方をあざ笑うように、彼ら全員が本物のミュージシャンだというのが面白い。バックをつとめている親父さんのリズムギターやお母さんのウッド・ベースにそれほど驚かされることはなかったんだけど、(けっして下手だという意味じゃないです、念のため)この兄弟姉妹の3人が、カントリーからリズム&ブルース(流行の方じゃなくて、ルーツの方ね)、ジャンプ、ロカビリーといった音楽に登場するほとんどの楽器を全て演奏してしまうというところがすごいのね。ドラムス、キーボード、ギターは、もちろん、ブルース・ハープにトロンボーンまで、この3人が手を変え品を買えて演奏しながら歌うんですが、これにはびっくりです。

 で、早速このアルバム、『A-Z: Kitty, Daisy & Lewis - The Roots Of Rock 'n' Roll』を買ったんですが、彼らのアルバムだと思っていたのに、実は、これ、コンピレーションで、ここに収録されている彼らの演奏は1曲のみ。まぁ、内容は全然悪くなくて、彼らがよく演奏するクラブ、Gaz's Rockin' Bluesの主、ギャズ・メイオールが一番最初に作ったコンピレーション、『Gaz's Rockin' Blues』によく似ているなぁと思う。だからこそ彼らがつながっているんだろうし、そんな流れで彼らが日本に紹介される日もそんなに遠くはないと思う。

 ということで、なぜ、瓢箪から駒なのか? 実は、ボビー・ウィットロックのライヴのおかげで買った『From the Five』が良かったよぉと、書きたかっただけなんだけど、文章を書いていったらこうなってしまいました。まぁ、瓢箪がフェスティヴァルで、釣られて買ったアルバムの数々が駒なのかなぁと思ってみたり。本来は、そんな意味じゃないんですけどね。


投稿者 hanasan : 16:15 | コメント (0)