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2008年10月03日
Lucinda Williams - 再び瓢箪から...
便利になったもので、コンピュータをチェックすれば、どのアルバムを幾度聴いたのか即座にわかる。といっても、当然ながら、データが消えることもあれば、コンピュータ以外でも音楽を聴くこともある... と書いて、時代が変わったんだなぁと思う。毎日コンピュータに向き合って仕事をしている関係からか、コンピュータを通して音楽を聴くのが当たり前になってきているのだ。もちろん、コンピュータをアンプに接続してはいるものの、数年前までそんなことはなかった。いつもステレオでCDを聴いていたのに、iTunesが登場したことで、そのスタイルが大きく変わってしまったことに自分でも驚かされる。とはいっても、CDの値段が高かったり、廃盤になっていたり、あるいは、CD化されていない作品についてはアナログからデータを起こして、iTunesで読み取るといった作業もしているので、聴く音楽の幅がどんどん広がっているようにも思う。要するに、物事にはいつも両面性があって、簡単にコピーできるCDのせいで売り上げが減ったとぼやくレコード会社は、そのおかげで誰もがどこでも音楽を聴く可能性の増えたことを喜ぶべきなんですけどね。そんな新しい方法論を率先して取り入れるのではなく、問題に向き合わないで潰すことしか考えていなかったから、売り上げが落ちるんだろうと思う。
それはさておき、さて、前回ここに書き残したリラ・ダウンズのアルバム、『Shake Away』なんだが、これを購入したのが9月3日で、記録を見るとすでに30回以上このアルバムを聴いているのがわかる。ところが、それからしばらくして彼女に続くほどに聴きまくることになるのがルシンダ・ウイリアムス。特に『World Without Tears』というアルバムで、彼女にはまりまくっているのだ。その発端はというと、『Shake Away』に収録されている1曲、「I Envy The Wind」。いい曲だなぁと思って、それが誰の曲かを調べてルシンダに行き着いたわけだ。まぁ、それも音楽中毒者の性なんだろう。加えて、物書きの条件のひとつでもあるんだが、気になるととことん調べていく。そして、少しでも面白いとのめり込んでしまうのだ。これもまたインターネットやコンピュータ文化の恩恵でかなりの情報が集まってくる。それに音楽を聴けるという意味で実に便利なのがMy Spaceというので、早速、その曲のオリジナルを歌っているルシンダのMy Spaceをチェック。「こりゃぁ、素晴らしい!」とアルバム購入に走ってしまったというのがその流れだ。その結果、このアルバム、『World Without Tears』にとっぷりとはまっている。
最初に注文したのは10月14日発売となる最新作の『Little Honey』で、たまたまそのときにソロモン・バークのフォト・レポートをまとめたこともあって、彼のベスト・アルバム、『The Platinum Collection 』も注文。けっこう頻繁にamazonを使っている人ならばご存知だと思うんだが、2枚以上買うと10%オフというので、こうゆうのに弱いのです。とはいっても、その新しいアルバムが発表されるのは先のこと。しかも、リラ・ダウンズがカバーしていた曲、「I Envy The Wind」のオリジナルが収録されているのは『Essence』というので、それを注文して、上述の理由でおまけのようにもう一枚注文したのが、『World Without Tears』だった。世の中皮肉というか、よくできているというか... 結局、最初に届けられたのが後者で、これが素晴らしかった。どこかでニール・ヤングとトム・ウェイツが合体したような... というウルトラ安易な説明で申し訳ないんだが、一般的に言われているオルタナ・カントリーというよりは、実に良質なシンガー&ソングライターに出会えたというニュアンスの方が強かった。ちょいと個性のある声で、ハートにずしんと響くタイプ。けっして美しいとは言えないまでも、どこかで聴く者の心にす〜っと入ってくるような感じで、リッキー・リー・ジョーンズのコケティッシュな部分をなくして(そうしたら、彼女じゃなくなるようにも思えるが)ディープなタッチを与えてみたら... って、これも安易かなぁ。まぁ、まどろっこしい説明だが、なにせ、彼女の持つ染みる声にやられてしまうことになるのだ。
そのおかげで、結局は、最新作となる『West』も注文して、ついでに初期の作品『Sweet Old World』も買った。その二枚も『Essence』も届いたんだが、結局、最も素晴らしいのが『World Without Tears』だというのが面白い。
こうやって何枚も手にすると、アーティストの変化がよくわかるんだが、1992年に発表されたという『Sweet Old World』は明らかにカントリー歌手といった趣で、それがちょっとした変化を見せ始めるのが1998年の『Car Wheels On A Gravel Road』。でも、深みを増したシンガー&ソングライターとしての輝きを見せ始めるのが『Essence』で、それが完成したのが『World Without Tears』ではないかと思う。
いわゆる音楽雑誌なんぞ読まなくなって、かなりの時間が過ぎているから、彼女が日本でどれほどの評価を得ているのか全く知らないんだが、国内盤も確実に発表されているし、幾度もグラミー賞を獲得しているところから、おそらく、けっこうな大スターなんだと思う。だから、こういったアーティストを見つけたことを大喜びしていても、「なんで今更」と思う人がいるかもしれないんだが、結局、素晴らしいアーティストとはどこかでつながっていくという喜びを再確認できたことを素直に認めたいのだ。
記録によると、コマーシャルな意味で最も大きな成功作となったのが『World Without Tears』で、その2年後に発表されたのが2枚組のライヴ、『Live @ the Fillmore』。これはまだ聴いていないんだが、そんな成功の後に生まれたのが『West』だという。もちろん、これも素晴らしい作品で、『Essence』からの3枚のスタジオ録音は非の付け所がないほどの完成度を持っている。そのあたり、できれば、みなさんも聴いていただきたいと思う。それでも、自分に最も染みるのは『World Without Tears』。これが最高傑作で、このところ、これを聴き狂っているのです。
噂によると、かなりロック色を強めたというのが新作の『Little Honey』。来週ぐらいにはうちにこのアルバムが届くはずなんだが、さて、どうなっているんだろう。実に楽しみなのだ。それに、このはまり具合を考えると、おそらく、『Live @ the Fillmore』も買うことになるだろうし、昔のアルバムも買ってしまうんだろう。メキシコ人アーティストからこんな流れになってしまうとは... 想像もしていませんでしたけどね。
ちなみに、彼女、大統領選挙に合わせて、デジタル・オンリーで『Lu in 08』というEPを発表するんだとか。そこにはディランの名曲、『戦争の親玉』も入っているらしく、これも買ってしまうんだろうなぁ。政治的な発言はしていないらしいんだが、その意図はこのリリースだけで十分理解できません?
投稿者 hanasan : 2008年10月03日 08:54