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2008年10月19日
Lucinda Williams再び。新譜もいいねぇ。
ずいぶんと出遅れてしまった感じで、とりつかれたルシンダ・ウイリアムスなんですが、14日に発売となった新譜、『Little Honey』が到着。ご多分に漏れず、はまりまくっています。
確か、彼女のMy Spaceがどこかで読んだのではないかと思うんですが、「今度はロックよ」みたいなことを彼女が口にしていたんじゃなかったっけ? 確か、そうだと思うんだが、初っぱなの曲「Real Love」で「その通り!」と思いましたなぁ。ぐぁん〜っといったギターで始まるレイドバックしたロックンロールなんですけど、ルシンダはシャウトするでもなく、いつものちょいと風邪でも引いたときのようなこもった感じの声で押さえて(それでもソウルを込めて... というのがミソですけど)歌っているんですな。そのバランスがいい。そんなロック的という部分で言えば、もう1曲あって、それが5曲目の「Honey Bee」。ここで思い出したのはクロスビー・スティルス・ナッシュ・アンド・ヤングの名作中の名作、『4 Way Street』(国内盤 / US import)なんですが、ギターのカッティングとか、リード・ギターの一部が、まるでこの作品のロック・サイドを「感じさせる」ように演奏されていたのが気になりました。というか、好きなんでしょうな。
とはいっても、この2曲の「ロック的な」のを除けば、基本的にはいつも通りのちょいと「暗い」感じのルシンダ。「暗い」という言葉が本当に的を射ているとはいいにくいんだが、どこかで鼻声のようにも聞こえるドスのきいた声と曲調に、やっぱりやられてしまうのです。あの「Real Love」の後、いきなりアカペラで始まって... ウエットなタッチのカントリー・ナンバーと続いて、それでもってブルージーな「Tears of Joy(随喜の涙)」といった流れがいい... ここまで来たら、もう離れられません。
おそらく、一般的に話題になるのは8曲目の「Jailhouse Tears(刑務所の涙)」って曲だろうと思う。なんとここでデュエットしているのはエルヴィス・コステロ。このコンビネーションがいい。個人的にはこの人は好きではないんですけどね。それまでも高慢ちきな態度が嫌いだったんだが、それを決定的にしたのが、前回か、その前かのアラン・トゥーサンのライヴに彼が飛び入りしたとき。アランのライヴを楽しみにしていたのに、4曲から6曲か覚えてはいないんだが、延々と歌って「出しゃばりすぎだよ、このおたんこなす!」と思ったんですな。とはいっても、ルシンダとのデュエットでの圧倒的な存在感は否定できないです。その一方で、コステロがずいぶんと気張って歌っているのが感じられるのは、「ルシンダには負けられない」という気負いの表れか...あるいは、ルシンダには勝負できないことを知った上での「努力」ではないかと思うんですけど、いかがなものでしょう。
素晴らしい曲がそろえられた入魂のアルバムなんだろうなぁ、この『Little Honey』。最後の曲「It's A Long Way To The Top」なんて、泣いちゃいますよ。奇妙な話かもしれないけど、これを聞いていて、ピンクフロイドの「Comfortably Numb」を思い出してしたった、私って、やっぱ、変かもしれません。
当然のように、このアルバムも届いて以来聞きまくり状態なんですが、以前彼女のことを書いてしばらくして、結局、2枚組のライヴ・アルバム『Live @ the Fillmore』も注文。国内で買うと値段が高いので、amazon経由の海外の業者から買っているんでが、買って良かったなぁとつくづく思うほどの素晴らしいできばえです。当然、これもはまりまくりです。大きく彼女がブレイクした『World Without Tears』という名作を発表後のライヴを収録したこの作品が悪いわけがないわけです。それまでに録音したベストの曲が集められていて、大好きな曲がぎっしりと詰め込まれているしね。それに、観客の叫ぶ声や
雰囲気をうまくつかんでいるという点で、確かにライヴならではの臨場感はあるんだけど、録音自体はどこかでスタジオ・アルバムと変わらない感じがしないでもない。それを退屈と見るかどうかなんだけど、私、好きですね、こうゆうの。というか、今回の『Little Honey』にしても、ほとんどライヴ的な録音が行われているのではないかと思うんですよ。アルバムを聴いていると、彼女の笑い声が入っていたり、イントロの部分で演奏をし直しているところまで残しているし... 最近のレコーディングといえば、いいところだけをつぎはぎしてやるってパターンが多いんだけど、それと全く逆行するかのようなこの味やタッチにたまらなく人間の魅力を感じるのです。私って、古い人間ですかねぇ。
投稿者 hanasan : 2008年10月19日 09:02