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2009年05月15日

再び、岡林信康にガツーン!

岡林信康 本当は、もっと他に書かなければいけないことが多々あるんだが... 例えば、2月末には韓国に行って、とんでもなく面白いことを発見し、3月はオースティンでSXSW取材。4月はロス、そして、その下旬には台湾と、たまたま格安のフライト・チケットが手に入ったというので、そんな場所をふらふらしているんだが、それを飛び越えて、先日手に入れたアルバムのことを書いてしまいたいのです。それは岡林信康のCD。なぜか知らないけど、このところとんでもない勢いで、「こんなのが出るの?」と言えるほどに岡林信康のレアな音源がどんどんCD化されているんですな。と言っても、その全てを買えるわけもなく... とはいいながら、まるで清水の舞台から飛び降りるような気持ちで買うこともあるのです。なにせ、国内盤はめちゃくちゃ高い。1枚買う金で輸入盤だったら、下手をすると3〜4枚は購入可能だというので、ほとんど買う気にはならないのです。が、これは、やってしまった。

 それが『岡林信康URCシングル集 +8』というコンピレーション。すでに購入されている方がamazonでいろいろな情報を書いてくれていて、それをチェックして判断したんだが、これがとんでもなく素晴らしいのだ。特に、ぶっ飛んでいるのは、はっぴいえんどと録音した数々のシングル。60年代の終わりから70年代の初めという、この時期といえば当然のように名作、『わたしを断罪せよ』から『見るまえに跳べ』、そして、『俺らいちぬけた』が、自分の中での『岡林信康三部作』といってもいい傑作の流れで、当然ながら、これは全て持っている。それだけではなく、数え切れないほど聞いてもいるのだ。おそらく、自分にとって、彼のベストの時代で、最も影響を受けた時代でもある。サウンドという、一面的な部分で言えば、見るまえに跳べ』が、おそらくベストなんだろうが、当時のシングルを集めたという、『岡林信康URCシングル集 +8』では、アルバムでは聴くことができなかった(ように思える)素晴らしいヴァージョンが収録されていることに改めて驚かされることになる。といっても、全てを聞き比べてはいないんだが、このアルバムを聴いた瞬間思ったものだ。「すげてぇ、また頭をぶん殴られたようなもんだぁ」と、驚喜したのが、このブログを書くきっかけだ。

 特に素晴らしいと思うのは、やはり「岡林信康 With はっぴいえんど」とクレジットされている一連の曲。その名前で収録されているのは、おそらく、昔の岡林信康好きだったら知っていて当然の曲ばかりで、「愛する人へ」、「ラブ・ゼネレーション」、「だからここに来た」、「コペルニクス的転回のすすめ」、「家は出たけれど」、「君を待っている」、「自由への長い旅」、「今日をこえて」、「それで自由になったのかい」の10曲なんだが、特に強烈だったのは「だからここに来た」と「コペルニクス的転回のすすめ」。おそらく、前者ははっぴいえんどのボックスセットに収録されている「バッキング音源集」と同じヴァージョンだと思うのだが、「コペルニクス的転回のすすめ」はそのボックスセットは違うヴァージョンで、今回最も強烈なインパクトを与えてくれたように思う。おそらく、はっぴぃのファーストにして、名盤といわれる、通称『ゆでめん』の頃のレコーディングじゃないかと想像するんだが、バックの演奏が持つエネルギーが素晴らしい。加えて、ヴォーカルの岡林信康が抱えている「熱」がとんでもないのだ。それをまとめて聴くことができるのがこの『岡林信康URCシングル集 +8』の嬉しいところなんだろう。

岡林信康 とはいっても、歌はどこかで最初にインパクトを受け取ったその録音が最も決定的で、今回、CDではほとんど入手できない岡林信康の初期の曲で、「チューリップのアップリケ」を求めて、同じように再発された『岡林信康』も買ってみたんだが、なにかがどこかで面白くない。なにかが微妙に違うのだ。

 なによりも自分が慣れ親しんできたもの、しかも、まだまだ子供だった頃にラジオで聞いて衝撃を受けたのは、今では入手不能となっている『岡林信康の世界 第一集』に収録されているヴァージョン。いくら待ってもこのCDが発表されないというので、結局、中古盤屋でみつけたこのアルバムのデータをコンピュータに落として、デジタル化。それをiTunesで読み込んでいるんだが、自分にはこれがベストに思えるのだ。探してみると、この曲のスタジオ録音ヴァージョンがCDで聴くことができるのは『大いなる遺産』のみだとamazonでは説明されているんだが、それが録音されたのは1975年。前述の、おそらく、これこそがオリジナルだろう、70年録音とは別もののように思える。

 まぁ、こんなことを書いていると、まるで岡林信康オタクのようにも思えるんだが、今回、『岡林信康URCシングル集 +8』を「買ってしまって」そんなことを思ったというだけのこと。よほどのファンでもない限り、こういった寄せ集めを買う必要はないと思うんだが、ここに収録されているはっぴぃえんどとの録音は、久しぶりにあの時代のエネルギーを感じさせてくれたということなんだろう。

 が、いずれにせよ、自分にとって彼の傑作は『わたしを断罪せよ』と『見るまえに跳べ』に『俺らいちぬけた』の三枚。そして、『岡林信康の世界 第一集』でしか聞くことができない、あの頃の「チューリップのアップリケ」ではないかと思う。

 そういえば、「チューリップのアップリケ」で検索していたら、引っかかったのが笹生実久という女性のアルバム、『チューリップのアップリケ』。どうやら、岡林のこの曲のみならず、同じようにあの時代に売れた新谷のり子の「フランシーヌの場合」までカバーされていることにちょっとビックリです。なにがどうしてこうなったのか、そうして、彼女はこういった曲をどう歌っているのか... 実に気になるのであります。



投稿者 hanasan : 2009年05月15日 03:06

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