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2009年06月16日

The Uk Jazz Danceって本が出たよ

UKジャズ・ダンス・ヒストリー 去年の暮れ、大昔からのロンドンの友人で、かつてStraight No Chaser(ストレート・ノー・チェイサー)という雑誌を作っていたジャーナリストで編集者のポール・ブラッドショーからひさびさに連絡がた。

「今度、イギリスでのジャズ・ダンスの歴史に関して本を出すんだが、翻訳をやってくれないか」

 というのだ。80年代の半ばからこのシーンを取材していて、いろいろな形で一緒にプロジェクトを手がけたりということもあって、当然ながら、やりたいと思ったんだが、その段階で設定されていた出版時期があまりに早すぎて、お断りすることになる。当時のシーンを取材してきた人間として、やるべきだしやりたかったんだが、時間がない。なにせ、Smashing Magの更新作業で、毎日何時間もとられるのに加えて、ディテールにこだわるせいか、翻訳にはかなり時間がかかるのだ。

 しばらくこの話のことを忘れていたんだが、先日、彼から再び連絡があって、東京のブリティッシュ・カウンシルで、その本の著者でDJ、そして、ミュージシャンでもあるSnowboyをゲストに呼んでイヴェントをやるので遊びに行ってほしいとあった。というので、スリープウォーカーのサックス、まさやんを誘ってここに出かけたんだが、まるで同窓会だ。キョート・ジャズ・マッシヴの沖野君やUFOのラファエル... と、当時からの「顔」が見える。しかも、スノウボーイがこの本に記しているダンス・ジャズの歴史をいろいろな映像を取り混ぜて話してくれるんだが、これも懐かしい。なかでも、80年代当時のクラブ、Wag(ワグ)でよく演奏していたTommy Chase(トミー・チェイス)カルテットの演奏を見たときには、あの時の熱気が甦ってきたように感じたものだ。これは「Jazzin' Soho」というビデオに収録されている映像で、まるで全盛期のアート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズよろしく演奏する彼らの前で踊っていたのがIDJ(I Dace Jazz)というダンス・グループ。このコンビネーションは強力だ。彼らのアルバム、「Groove Merchant」(グルーヴ・マーチャント)がスティッフ・レーベルから発表されたのが1987年で、イギリスのチャンネル4が制作することになったこのビデオはその前年に発表されている。

Jazz Dekektors このビデオのサントラがあったらぜひ欲しいと思うんだが、ここでジョージィ・フェイムが歌っているソーホーの歌がめちゃくちゃいいのだ。(っても、タイトルもわからないし、不親切なビデオのパッケージにはなにも記されてはいない。)

 これまで幾度も書いているんだが、その前年にロンドンのショー・シアターで開かれたのが生涯で最も大きな印象を残したライヴ。なにせ、演奏しているのは今は亡きアート・ブレイキーとザ・ジャズ・メッセンジャーズで、そこにザ・ラスト・ポエッツのジャラールが詩の朗読からラップで絡み、その前で踊っていたのが前述のIDJにマンチェスターからやってきていたジャズ・デフェクターズ。特にアート・ブレイキーが満面の笑みを浮かべながら、ドラム・ソロでダンスのソロとバトルをしているときの光景なんぞ、忘れようとしても忘れられない。この頃からジャズ・ディフェクターズと仕事をするようになるんだが、ダンスに関してはIDJの方が勝っていたかなぁと思う。といってもIDJがタップ・ダンスを基調としたサザン・スタイルだったことに対して、JDズはバレー的な要素を入れたノーザン・スタイル。簡単に比較はできないんだが、きわめてオリジナルなジャズをベースとしたダンス・グループとして彼らが「評価」される時代がやってきたことは充分に認識できた。しかも、彼らが同じステージに立っていたのはジャズの歴史と言っていいだろう、アートブレイキーなのだ。

 さて、スノウボーイとのひさびさの再会があったときに、「日本でツアーするから、見に来てよ」というので、ぜひ撮影したいと応えていたんだが、連絡はなし。というか、こっちもずっと先のことだと思っていたら、すでにツアー中というのがわかってしまった。最も撮影しやすい渋谷デュオでのライヴが11日だったらしく、あとはビルボードあたりでの演奏となるので撮影は難しい。しかも、あそこはあまりに高くて貧乏人の私には見に行けません。ということで、今回の取材はないだろうと思う。

Kenny Rankin なお、この日程を知って、大急ぎでSmashing Magに書いたのがダンス・ジャズからブルーノートの格安再発盤を漁るという原稿。知らないうちに発表されていたこの本『UKジャズ・ダンス・ヒストリー』の翻訳版を軽く紹介して、スノウボーイのことも書いた。さらには、タイミングよく、ジャズ・レーベル、ブルーノートの設立70周年を記念して1100円で100枚の名盤再発が始まるというので、80年代のジャズ再発見時になくてはならなかったクラシックなアルバムの数々も簡単に紹介している。もし、チャンスがあったら、そのなかのアルバムをチェックしていただければ幸い。50年だから60年代初期に録音された音楽が、今もとてつもなくホットで魅力的か... それが痛いほどわかりますぜ。

 ちなみに、ブルーボート・レーベルに残されたそういった曲からセレクションしたコンピレーション、『Make It Deep & Phunky』と『Mo' Deep Mo' Phunky / Volume 2』を、ポール・ブラッドショーや、今じゃ、有名人のジャイルス・ピーターソンと一緒に作っているんだが、当然、現在は入手不能。まぁ、コンピレーションだから、それも仕方がないか.... それにしても、このアルバムが1万枚ほども売れたんじゃなかったかなぁ、あの当時。それが若い人たちへのジャズへの入り口になっていったように思うんだが、自分もそのひとり。このあたりを聴き漁ったものです。



投稿者 hanasan : 2009年06月16日 11:22

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