クロスビー、スティルス、
ナッシュ&ヤング


Crosby Stills Nash & Young

"Déjà Vu (デジャ・ヴ)"
(US import)


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Crosby Stills Nash & Young

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Crosby Stills Nash & Young

"Déjà Vu"
(デジャ・ヴ・ライヴ)
(国内盤 / US import / iTunes)

The must album

Crosby Stills Nash & Young

"Déjà Vu"
(国内盤 / US impport / US impport - '12analog / iTunes)

Crosby Stills Nash & Young

"4 Way Street"
(フォーウェイ・ストリート)
(国内盤 / US import / iTunes)

previous works

"So Far"(ソー・ファー~華麗なる栄光の道)(国内盤 / US import / UK import / iTunes)
"Looking Forward"(ルッキング・フォワード)(国内盤 / UK import / UK import - '12analog / iTunes)
"American Gream"(アメリカン・ドリーム)(国内盤 / UK import)
"The Bridge School Collection, Vol. 2 (Live)"(iTunes)
"Greatest Hits"(iTunes)


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 小沢昭一的こころ... といっても、どれほどの人が理解できるかわからないんだが、今も続く長寿ラジオ番組がそれだ。(ここで実際に番組が聞けるので、興味があったら、チェックしていただければと思う)その番組のキャラクター、小沢昭一は一般的に役者として認識されていると思うのだが、『日本の放浪芸』を制作したりと、どこかで社会学者のようでもあり、ピート・シーガーあたりにも通じるアーティストでもあるんだろう。その彼が録音した名曲に「俺たちおじさんには(歌がな〜い)」というのがあった。初めてこの歌を聴いたのは今をさかのぼること遙か昔、筆者がまだ中学生のころではなかったかと思う。『小沢昭一的こころ(2)はやり歌オリジナル編』に収録されていているこの曲がここ数年というもの、頭にこびりついて離れないのだ。実に、この曲に歌われている通り、今の音楽にほとんど魅力を感じることがないという状態が続いている。おかげで、昔から聞いているアーティストの作品をレコード棚の奥から引っ張り出してみたり、あるいは、破格値の輸入盤をみつけては、聞き逃していた昔の作品を買い漁ってしまうのは、それが理由なのではないだろうかと思う。

 昔から聞いているそんなバンドのひとつがクロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤングだ。元バーズのデヴィッド・クロスビー、バッファロー・スプリングフィールドのスティーヴン・スティルスと元ホリーズのグラハム・ナッシュが、クロスビー、スティルス&ナッシュを結成して、そこに、やはり元バッファロー・スプリングフィールドのニール・ヤングが加わった伝説のバンド。そんな彼らの傑作中の傑作が、ロック・ファンだったら誰でも持っていて当然と言い切ってしまいたい『Déjà Vu"(デジャ・ヴ)』や、とてつもないエネルギーを凝縮しているライヴ、『4 Way Street(フォーウェイ・ストリート)』。今もこのあたりの作品が好きでたまらないのはこのこういった作品に収録されている曲が、どこかで自分の気持ちに重なっていたからではないかと思えるのだ。ジョニ・ミッチェルのオリジナルより遙かに輝くような響きを持つ名曲「ウッドストック」は時代の変化を象徴したフェスティヴァルをタイトルにした、新しい生き方への賛歌。「オールモースト・カット・マイ・ヘアー」は徴兵に応じることで髪を切りかけた... といった内容なんだが、髪を伸ばすことさえもがある種の抵抗のシンボルだった時代に、アメリカから遙か離れた日本の子供達もどこかで同じような気持ちを共有できたのではなかったかと思う。オハイオ州立ケント大学で州兵がデモ中の学生に向かって発砲し、4名が殺されたことを歌った「オハイオ」は、同じようにデモが続く日本で「僕らがつながっている」ことを確実に伝えていたように思う。しかも、それがノスタルジアではなく、今もなにかを訴えているように聞こえるのだ。現れ方は違うものの、どこかで同じことが繰り返されている... と、自分には思えてならないし、だからこそ、こういった昔のアルバムでさえ今もとてつもないリアリティを持って迫ってくるんだろう。

 そんな彼らが再び集まったのは2006年。その間にも幾度か再結成はあったんだが、今回はニール・ヤングがイラク戦争にぶち切れて発表した問題作、『Living With War(リヴィング・ウィズ・ウォー)』がきっかけだったとか。そのレヴューはかつてsakamotoがここで書いてくれているので、そちらもチェックしていただければと思う。そのツアーをドキュメントした映画が、彼らの名作のタイトル、『Déjà Vu"(デジャ・ヴ)』を再び使うことになったこの作品、『Déjà Vu Live"(デジャ・ヴ・ライヴ)』だ。日本ではすでに、そのサウンド・トラックでもあるアルバム、『デジャ・ヴ・ライヴ』が発表されていて、いい評価を獲得しているようだが、本ちゃんの映画、『Déjà Vu Live"(デジャ・ヴ・ライヴ)』もぜひ見てもらいたいと思う。今のところ、輸入盤のみで、字幕については英語とスペイン語のみ。しかも、リージョン1ということで、国内のDVDプレーヤーでの再生はできない。そんな意味で言えば、国内版の発売が待たれるのだが、これが素晴らしい。

 基本的にこの作品はドキュメンタリーで、実際にイラク戦争をレポートしたジャーナリストとニール・ヤングの結びつきから、「Freedon of Speach(表現の自由)」と呼ばれるこのツアーが始まったことが語られている。そんな意味で言えば、これは明らかに「政治的なアピールを前面に出したツアー」であり、おそらく、CDを聞いているだけではそれを簡単に理解することはできなかっただろうと思う。ここにはライヴのみならず会場に集まった人々とのインタヴューやメディアの反応といったツアーの背後で繰り広げられたさまざまな事件がつぶさに記録されているのだ。70年代とは比較にならないほどの年寄りとなってしまったバンドの面々も、目の当たりにするとさすがに時代を感じるというのも本音だろう。ニール・ヤングは髪が薄くなり、クロスビーとスティルスは白髪のメタボ体系で、「年寄りヒッピーが...」と辛辣な批判をする人もいれば、アトランタでのライヴではとんでもない迫力のブーイングに直面している。特に、「ジョージ・ブッシュを告発しよう」という曲が演奏されるやいなや、数多くのオーディエンスが中指を突き立て、わめきながら会場をあとにしているシーンに圧倒されるのだ。このドキュメンタリーはそんなオーディエンスの、お世辞にも美しいとは言えない四文字言葉連発の罵声をも記録。それを見ることで、オバマ大統領誕生を前にした、あるいは、今もどこかで存在する「恐怖のアメリカ」を我々はつぶさに認識することもできる。

 その一方で、ニール・ヤングが帰還兵に出会って、彼らの声に耳を傾け、戦場で息子を亡くした母親も登場する。オフのときにはスティルスあたりが選挙運動を助けるために奔走している様も描き出され、おそらく、照準にしたんだろう、あの頃行われたアメリカの中間選挙に彼らが少なからず影響を与えたことが伺える。といっても、もちろん、これは運動のための運動ではなく、そうせざるを得ないほどに、彼らが怒っていたこと、そんな気持ちをはき出す必要があったこともわかるのだ。

「おそらく、一字一句がそのままじゃないだろうけど、どこかで誰かがうまく言葉にできないことを、おそらく、僕らの歌が表現しているのではないかと思う」

 と、そんな言葉を話していたのがどのメンバーだったか、はっきりとは覚えてはいないんだが、それを聞いて思ったものだ。「俺たちおじさんに」歌える歌がここにある。日本語ではなくとも、ブッシュ政権のアメリカが大嘘の言い訳でイラクを侵略し、数え切れないほどの混乱を巻き起こしたことに、彼らが「ブッシュを告発しようぜ!」と歌うとき、そう、その通りだと、声を上げたくなるのだ。

 おそらく、筆者のような「オールド・スクール」の人間からすれば、どこで記録されたのか、70年前後に彼らが名曲、「オハイオ」を歌っている映像が飛びしてきたり、当時のインタヴューやさまざまな映像がかいま見られるのが嬉しいし、CDには収録されていない曲が聞こえてくるのもたまらないのだ。

 もちろん、「音楽を政治に利用している」という声はある。が、ここに登場する戦死した兵士の母親が語るように、「好むと好まざるに関わらず、私たちは政治と共に生きている」のであり、そんな現実に対して、斜に構えることから、無視することさえももが「政治的な行動」なのだということを、こういった人々の発言からくみ取ることもできる。

 この作品をどう受け取るか... いろいろな見解や感想があって当然だろう。が、少なくとも、海を渡ったこの国で、得もしれない「気持ち」を共有できた人は、おそらく、筆者ひとりではないだろう。「俺たちおじさん」にも歌える歌がまだあることを、そして、まだ生まれていることをこの作品は見事に証明してくれているのだ。さらに言えば、こういった音楽がオバマ大統領誕生に、計り知れない影響を与えているはず。彼がアメリカを本当の意味で変化させるかどうか、まだまだ定かではないが、少なくともブッシュ体制を否定するという結果は見事に生み出しているのだ。

なお、この作品はマルチ・リージョンのDVDプレイヤーで普通に再生できます。編集長が使用しているのはDVP-086Aという機種なんですが、ネットで「マルチリージョン DVDプレーヤー」を探せばもっともっと格安なものがみつかるはずです。


2009年1月25日記す。


reviewed by hanasan


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